オールドピンクとグレージュ|オンラインで“色”を伝える難しさ

制作の裏側・想い

人気カラー「オールドピンク」から始まった色の話

nuunuu nagara の編み針ケース、人気のカラーに「オールドピンク」があります。

ショップのオープン当初、この「オールドピンク」は少し物議を醸したカラーでもありました。
「オールドピンクという名前だけど、これはピンクというよりベージュなのでは?」
そんなご意見を多くいただいたのです。

「オールドピンク」はピンク?ベージュ?

インド刺繍をあしらったオールドピンクの編み針ケース

写真を見ていただくとわかる通り、「オールドピンク」は一般的に想像するピンクよりもずっと渋い色味です。
ブラウン味が強く、アンティークな雰囲気。
「オールド(古びた)」という言葉がぴったりの落ち着いたトーンです。

実はこの「オールドピンク」という名前は、仕入れ先の生地カラー名をそのまま使用しています。
アンティークなブラウン味を「オールド」で表現したこのネーミング、私はとても絶妙だと感じています。

ただ、当時の私は「ピンク」という言葉に引っ張られすぎて、写真を明るめに仕上げてしまっていたんですね。
その結果、実際よりもピンク寄りに見える商品写真になり、お客様を混乱させてしまいました。

こんな感じで商品写真がかなりピンク寄りになっていました。

カラー名と商品写真、どちらも「伝える言葉」

商品名に使うカラー名、そして商品写真。
どちらも商品を伝えるためにとても大切な要素です。

でも、「カラー名から受ける印象」は人それぞれ。
“ピンク”と聞いて思い浮かべる色も、“ベージュ”と感じる範囲も、実は人によって少しずつ違います。

その曖昧な部分を補うのが、商品写真の役割。
けれど──これが本当に難しいのです。

写真で“本当の色”を伝える難しさ

目の前にある商品の色が、カメラ越しに見ると全然違う。
自然光で撮っても、明るさや反射で微妙に変わってしまう。

結局、編集ソフトで少し補正して本物の色に近づけるのですが、
それはあくまで私の環境での見え方。
お客様がスマホやPCで見ると、また違って見えることがあります。

ものづくりをしている方ほど、色へのこだわりは強いもの。
「ほんの少し違うだけで、なんか違う」と感じるあの感覚、私もよくわかります。
だからこそ、正確に伝えたい──でも、どうすればいいのか。
その葛藤は、ショップを始めてからずっと続いています。

そして「グレージュ」のお声をきっかけに

先日もお客様から、「思っていたよりカーキ寄りに感じた」とのご意見をいただきました。
今回の商品は「グレージュ」として販売していました。

この“グレージュ”も、仕入れ先のカラー名をそのまま使っていました。
グレーとベージュの中間のような、とてもニュアンスのある色。
光の当たり方や組み合わせる色によって、
グレーにも、ベージュにも、カーキにも見える不思議なトーンです。

実際、この生地も仕入れ先では以前「グレー」と呼ばれていたものが、
のちに「グレージュ」に変更された経緯がありました。

もし私がここで、
「少し濃いめのグレージュで、光の加減によってカーキっぽくも見える」と
ひとこと補足していれば、もっと安心して選んでいただけたかもしれません。

これからの工夫と取り組み

今回のことを通して、改めて感じたのは、
「色は言葉と写真、両方で伝えていくもの」だということ。

これからは、次のような工夫を意識していきたいと思います。

  • 微妙な色味は、複数の光源(自然光・室内灯など)で撮影した写真を掲載する
  • カラー名だけでなく、「どんな印象の色か」を言葉で補足する

お客様の声が、改善のきっかけに

もし商品をご覧になって「この色どうかな?」と思われたときは、
どうぞお気軽にお問い合わせください。

できる限りお答えしたり、
ご希望があれば別の角度から撮った写真をお送りすることもできます。

お客様からいただくお声は、
お店をよりよくするための大切なきっかけになっています。

いつも本当にありがとうございます。
これからも、少しずつでも誠実に改善を重ねていきたいと思います。

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